病気の疑い

2001年5月9日
父親が、胃の手術をするかもしれないと
聞かされた。会社の健康診断で「再検査」を
言い渡されたらしい。寝耳に水だ。

胃に異常があるらしい、と聞いて思い浮かんだ
のは祖父のことだった。祖父は13年前に
胃ガンで亡くなった。まさか・・・という考えが
脳裏を掠める。

私にこのことを告げた母は相当落ち込んでいた。
そりゃそうだ、まだ52歳の父親にガンの
疑いがあるかもしれないと考えたら、落ち込む
のも仕方ない。「まだはっきりしてないんだし、
大丈夫だよ」とは言ってみたものの、私も
とても不安になった。

世の中、親は子供より先に死ぬのが常だ。
何十年か先に生まれてるんだから、当たり前だけど
それがいざ自分の親のこととなると、どうしようも
なく怖くなった。父がもし本当にガンで、そして
亡くなってしまったら、どうすればいいんだろう。

彼にメールをした「お父さんが手術をするかも」。
10分後に電話がきた。彼の声を聞いたら
とたんに涙が出てきた。彼は「ちゃんと説明して
ごらん」って言うけど、もう気が動転して
うまく話せない。彼はなだめようとしたけれど
私がいつまでも泣いていると「泣いてたらこっちは
どういうことなのかわからないよ!」と
怒られた。その声にびっくりして簡潔に話すと
私は彼をこれ以上困らせないように電話を切った。

そしてまた泣いた。頭の中に浮かぶのは、全部
マイナスなものだった。普段、厳しい父のことを
私はときどき「いなくなってしまえばいい」と
思うこともあった。でも、それが現実になって
しまうかもしれない状況になると、とてつもなく
悲しくて、私が小さい頃からのいろいろなことが
思い出された。

泣くだけ泣いて少し落ち着いた頃、彼から
電話がきた。「さっきは怒鳴ったりしてごめん」
彼は申し訳なさそうに言った。また涙が出てきた。
怒られるのもいやだけど、そんなに優しい声を
聞いたら、また涙が出てきちゃうよ。
彼はガンに遺伝性はないこと、まだはっきりと
結果が出たわけではないこと、それから冗談を
言って笑わせてくれた。とても救われた。
そのまま1人でいろいろ考えていたら、また悶々と
していたと思う。

結局1時間以上話して電話をしていた。
いつも電話代がかかるからって、早く切ろうと
するのにね(笑)。ありがとう。

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